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よろづ図書倉庫『向日葵』

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短編小説


【DFF現代パロ】なんだかんだで世は情け?(ギャグ)








その日は、雨が降っていた。
天気予報では晴れといっていたが、期待を裏切っての雨だ。


俺はかばんを傘代わりにして道を駆けていた。
……といっても、こんなことで雨はほとんど防げない。横殴りだし。


アパートまでは、走ればすぐだ。けど、雨で滑るし走りにくい。
これだったら、雨宿りをしたほうがいいな……


俺は大きな杉の木の下に向かって駆けて行く。
葉が重なり、だいぶ雨が防げる。


けど、その木の下に、ひとつの段ボール箱があった。
俺は木の下に入ると、段ボール箱を覗き込んだ。



「にゃあ」



段ボール箱の中で座り込んでいたのは、猫だった。
灰色……と言うか、銀色の毛並みがきれいだ。このぐらいの大きさだと、「子猫」とは呼べないだろう。



「捨てられたのか?」


「……」



猫は、こくりとうなずくとじっとこちらを見てきた。
……なんだ、このかわいいのは。



「連れて行きたいのは山々だが……うちのアパート、動物禁止だからな……
けど……あの大家けっこう抜けてるからばれないかもしれないな。
……来る、か?」



俺は猫に手を差し伸べる。
猫はきょとんとしていたが、しばらくすると俺の手をぺろりとなめた。



「うわっ……くすぐったいな。
……うちに来るってか?」


「……にゃ」



猫は短く鳴くと、またじっとこちらを見てきた。



「……いいよ、連れてってやる。
ちょうど雨もやんだし。帰ろうか、猫」



俺は猫を抱きかかえると、すぐに走り出した。






で、持ち帰ったはいいものの。
一体どうすればいいんだろうか……


猫は俺の目の前でじっと座っている。
なんだかその視線は、猫のものとは思えないほど鋭い。
(いや、猫と触れ合った事ないからそう思うのかもしれない……)



「……なぁ猫、名前とか必要か?」


「……」



猫はこくん、とうなずく。(言葉が通じている……のか?)
さすがに「猫」と呼ばれるのはイヤだろう。
……名前をつけてやらないとな。


俺は、猫をじっと見る。
銀色の毛並み。(ありえない毛色じゃないか……? いや、俺が世間知らずなだけか) 青緑色の瞳。



「……ライト」


「?」


「ライト、それがお前の名前。いいだろ?
俺はフリオニールだ。よろしくな、ライト」



俺はライトの頭をなでる。
ライトはただ、呆然としていた。いきなり撫でるべきじゃなかったか。



「じゃ、ライト。……お前、雨でぬれただろ。風呂入れてやる」



俺はそう言ってライトを抱える。するとライトはじたばたと暴れた。
そして、俺の手から逃げてしまう。



「……風呂嫌いか?」



俺はライトに尋ねる。ライトはふるふると首を横に振った。
ライトは一人で風呂場のほうに歩いていく。そしてぺしぺしと、風呂場のドアを叩いていた。



「猫の分際で一匹ではいるつもりか、ライト?」


「……にゃ」



ライトそう鳴いてうなずく。
うっわー、猫なのに。猫なのにっっ。


俺は仕方なく風呂場のドアを開ける。ライトは黙って風呂場に入っていった。
適当に準備をしてやろうかと思ったが、ライトがジトっとにらんで来たのでやめておいた。
ぱたん、と扉を閉める。


そして俺はどさー、とその場に座り込んだ。



  何  だ  あ  の  猫  。



俺は猫は本でしか見たことなかったがあんなもんなのか!?
あんな人間臭い生き物なのか!? いや、ライトが偶然そういう性格なのか……


とにかく、本当にアレは猫って言う生き物なのか? 猫の皮かぶった化け物なんじゃないか!?
もしそうだとしても俺はおどろか……
驚くかもしれない。


俺はふと、手にあるタオルを見る。
……あんな猫でもタオルのある棚には手が届かないと思ったから取ったんだ。
けどライトがにらんできたから渡し損ねたんだった……


俺は風呂場のドアを開ける。
猫がどうやって一人で風呂はいってんだか、と言う期待も混ざりつつ。
けど遠慮なく。



「おい、タオル取れないだろ。


ライ………………ト……………?」



「……」



俺はばたん、と扉を閉めた。そして瞬時に後ずさり。
だが後方確認をしてなかったゆえタンスの角に頭をぶつけた。


……何を見たか。
俺は軽く信じられなかった。


風呂場に、いたのだ。
背の高い、長い銀髪の青年が。
俺が現実を見てるなら……確かにいた。


タンスにぶつけた後頭部が、まだひりひりと痛む。
俺はそっと、再び扉を開ける。
そこにいたのは、器用に前足でシャワーのヘッドを持った猫……ライトだった。


俺はほんの短時間だけ夢を見てたんだろうか……



「ライト、気持ちいいデスカ?」



俺は(後半カタコトになったが)ライトにたずねる。
ライトはただ、うなずくだけだった。


ライトはしばらくして出てきたが、俺はそれを確認してすぐに布団に突っ伏して寝てしまった。




「フリオニール」



低い、ささやく声。
布団に突っ伏して寝ているフリオニールの横に、青年が立っていた。
肩をゆするが、起きる気配はない。


青年はたたまれた布団から毛布を引き抜くと、フリオニールにかけてやった。
そして、彼の横に座り込む。


青年は、愁いのまなざしを彼に向けていた。
ただ、哀れむような。



「……私は、この世界で……」



小さな声で、青年がつぶやいた。


ただその言葉を、フリオニールは聞くことができなかった。
(爆睡してたから)




俺が目を覚ますと、朝日が昇っていた。
時計を見ると、いつも起きるよりも少し遅い時間だった。
俺はかかっていた毛布を投げ、立ち上がりカーテンを開ける。


なんか、すごく安らいだような……不思議な感じがした。
っつか俺、昨夜に毛布かけて寝た記憶がないんですが……


ふと横を見ると、ライトが丸まって寝ていた。
……もしかして、安心してたのはライトがいたからか?


俺は、寝ているライトの頭をなでる。


これから、しばらくお前と過ごすことになるんだろうな。
よろしくな……ライト。



「あ、ボーっとしてたら学校遅刻するっ!」








あとがき


WOLフリじゃないよ!? BLじゃないよ!? 書いたら気絶するもん!!
なんとなく、あの記事を書いて(正しく言えばWOL缶を拾って)思いついたネタです。
WOLは犬よりは猫だと思うんです。ティーダは犬っていえますが。
ちなみにこの話は、現実パロディというかかなりこまかい世界設定があります。
けどそれは話の真実につながるので、ここには書きません。続き書く気は今のところないですが。
けど、毎日こんなだとフリオニールの生傷が絶えないと思います(笑)


……WOLは結構背は高いほうですよね?兜除いても


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