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よろづ図書倉庫『向日葵』

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MIX-DQ9


【MIX-DQ9】二つの世界の双竜


「オレも竜もどきかもな」




政宗が呟いた。
それは、アルマトラと戦ったあとのことだった。




政宗は、竜と同等、もしくはそれ以上の力を持つことを願っている。






「麻美、響夜の世界に行くのか?」




政宗が声をかけてくる。あたしはうなずいた。
現在、あたしの職業は武闘家。装備は幸村がよくする装備と同じ、竜の胴着。




「へぇ、武闘家か。幸村とおそろいとはな……なー、青は着ないのか?」


「着ない。赤い方が好き。あんた色に染まれとでも?」


「Of course.俺、独占欲は強いんだぜ?
まぁ、いいや……これ、持っていってくれ」




政宗があたしに、『青龍の扇』を渡してくる。
青龍の扇は、政宗が愛用する武器の一つだ。剣ではドラゴンキラー、ムチではドラゴンテイルを愛用して……
竜と同等、もしくはそれ以上の力を持つことを目指す政宗だが、単純に竜が好きなだけだったりして。




「talisman(お守り)代わりだ」


「おー、ありがとう。戻ってきたら返すね。
じゃ、いってきまーす♪」




ぶんぶん、と手に持つ扇を振り回しながらあたしは天使の扉をくぐった。


いってきます。








  二つの世界の双竜








響夜の世界は、似ているようで違う。
あたしの仲間が旅をしていなかったり、いたりいなかったり。
響夜の仲間は、あたしの仲間に近い人だし。




「麻美、何を見ているんだ?」


「はぅ、小十郎!」




いつの間にか後ろに、小十郎が立っていた。
あたしは思わず肩をすくめる。(小十郎って怖いんだもん!)




「それは、青龍の扇か?」


「あぁ、うん。ある人からもらって」




そういえば、小十郎って政宗の知り合いらしいんだよね。
政宗が、よく話してた。小十郎のこと。自分の面倒を見てくれたとかなんとか。
政宗はナザムの出身で、村の考え方に反対してる政宗の唯一の同意者だったって。
もっとも、この世界の政宗はわからないし、あたしの世界の小十郎をあたしは知らないけどね。




「どんなやつなんだ」


「えっとねぇ……基本はうざいの。けど、たまにかっこよくって……
竜のように強くなることを願ってるんだ」


「なるほどな……」


「あ、その表情! 似たような人を知ってるとか?」




小十郎の表情は、懐かしむような、優しい表情だった。
なんか、こういう表情の小十郎見るの初めてかも。




「竜の話をするたび、喜ぶような方を知っている」


「竜の話?」


「ああ。俺のふるさとに伝わる御伽噺。何度きいても飽きなかったようでな」


「へえ」




竜の話をするたび……って、もろ政宗のことじゃあないか?


―あたしの世界の小十郎も、同じなんだろうか。
この世界の人間と、あたしの世界の人間は少しずつ運命が違う。
旅している人が、旅していない。旅していない人が、旅している。
それでも世界の器は同じ。物語も、ほとんど同じ。まるでタイムスリップしてあたしの旅路を見ているようだ。




「その方も竜のように強くなることを願っていた。話を聞かせるたび、自分もその竜のようになりたいというくらい。
……しかし、本来ならば俺とその方は出会ってはいけなかったのかもしれないな」


「は? なんで?」


「ナザム村を知っているか」




小十郎に尋ねられ、あたしはうなずく。
知ってるも何も政宗の出身地らしいし、旅の途中にそこに落下した。




「あの村は、よそ者を嫌う村でな。俺も、村八分にされかけた」


「小十郎、ナザムの人じゃないの?」


「ああ。その方の父上に拾われた、というのだろうか……それでナザムに住むことになったんだ。
ただ、その方は俺をかばってくれた。母上と対立までして」


「……もしかして小十郎、その人とその人のお母さんが対立したの、自分のせいだって思ってない?」




政宗は、よく思い出話をしてくれる。その話の半分くらいはナザム村での、小十郎とのことだが。
けど、そういう薄ら暗い話は聞かない。……向こうがしようともしなかった。
今の小十郎の話じゃ、小十郎が政宗のところに来たせいでお母さんと喧嘩始めたみたいじゃないの。




「もともと、嫌われていたらしい。しかし、あの方が「よそ者を嫌うべきではない」といったことで、さらに溝が深まったようで」


「それは、政っ……その人が小十郎のことを思ってたからなんじゃないの? 別に、気に病むことない……」


「麻美、俺が旅をしている理由を知らないだろう」




ちょ、ちょちょこじゅ。話題変わってるぞ、話題が!




「知らないわよ、そんなの! 話をそらすなっ」


「……その方は、家を出た母上を追って旅に出た。俺もそれを追って、こうして旅をしている」




小十郎が静かに話した。


……ああ、この人って結構心配性なんだ。
政宗には幸せであってほしいと願ってるんだ、きっと。
だから、お母さんとの対立のことも気にしている。気にする必要ないのに。
政宗が意外と大人ってこと、知らないんだ。もしくはこの世界の政宗が相当子供なのか、どっちか。


そして、政宗も小十郎のことを信頼していた。
「俺にとっては大事なパートナー」ってよく言ってたもん。
信頼して、心配して、けど結局は……




「いい人」


「は?」


「その人も、小十郎も、いい人。その人は小十郎を信頼してたんだよ。で、小十郎もその人を心配してあげられるいい人。
その人、なんだかあたしにこの扇をくれた人に似てるな、話聞いてると」


「何? ……その扇を麻美に上げたのは、どんな人物なんだ?
もしかして、右目を眼帯で覆ってなかったか?」




小十郎が尋ねてくる。少し、驚いた様子で。
あたしは扇を広げ、その柄を小十郎に見せる。




「一言で言うなら、『青い竜もどき』ね!」




それ以外に、言い方がなかった。
けれど、確かなことだから。






確固たる意思は、竜の意思。


本当に竜の力を手に入れられなくっても、意思さえあればきっと竜の様に雄雄しい戦士になれる。


そして、竜の翼のように大きな優しさと。


あたしは、そう思うな。






雄雄しく舞え、よく似た二つの世界の『双竜』








あとがき


小十郎をかきたかったんだ!! それだけだっ!!
ってわけでちゃんと小十郎になってますでしょうか。こちらはすごく心配です。
とりあえず、竜にはなれないけれど、政宗と小十郎の意思はきっと竜のようなものだよねと。
あーもう、ちゃんと双竜を書きたぁぁい!!(暴)
1stパーティ×2ndパーティネタも書き始める予定です。出来る範囲で。


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